9月議会定例会最終日の28日。緒方議員がのど飴を口に含んだまま登壇したとして議員たちが非難して本会議が何度も中断し、最終的に熊本市議会は緒方議員に本会議への出席停止の懲罰を科すこととなりました。
今回の一件の直前、緒方議員が紹介議員となって自治基本条例をより良くする会から出されていた7つの請願の一つ一つについて、どのような審議をしたのか緒方議員が原口議会運営委員長に質問をしていました。議会運営委員会で7つの請願1つ1つについて審議していないので緒方議員が質問しても原口委員長は具体的に答えられない状況でした。今回の一件は、その質問の最中に起きた出来事でした。
そんなタイミングで緒方議員が口に何かを含んでいると気が付いた議員はそれを逃さず議場からヤジり、ヤジに答えるように議長が追求し、議運での協議→懲罰委員会→陳謝の決定→決まった文での陳謝を緒方議員が拒否→懲罰の内容が本会議への出席停止に決定→緒方議員の質疑と討論の機会剥奪→7件の請願の不採択。の流れでした。
緒方議員は弁明の機会を与えられていません。
出席停止となったため、市民から出された請願の質疑と討論の機会が奪われただけでなく、表決にも参加できませんでした。
出席停止となったため、市民から出された請願の質疑と討論の機会が奪われただけでなく、表決にも参加できませんでした。
多くのメディアでは、この「流れ」ではなく「飴」にフォーカスした内容が主流のような。
私たちに必要なものは、多様な立場の人の声を届けて、話し合って、今何が大切かの優先順位を決めて行くこと。数の力学だけで物事を決める世界ではないはず。
熊本市議会の対応が残念です。
*7つの請願の内容はこちらで確認できます。
http://kumamoto-shigikai.jp/agenda/pub/ailist.aspx…
http://kumamoto-shigikai.jp/agenda/pub/ailist.aspx…
請願のタイトルの紹介
◯議会基本条例を制定し、「わかりやすく開かれた議会運営」の実現を求める請願
◯議会基本条例制定に向けた「検討委員会の決定」と「計画等の審議」を求める請願
◯請願の審議内容を請願者に積極的かつ迅速に提供することを求める請願
◯法令及び議会の決定に基づき、閉会中に委員会が継続審査を履行すべき義務を負うことの確認を求める請願
◯熊本市議会の請願について「一部採択」を取り入れることを求める請願
◯「会議録速報版」の作成とYouTubeによる録画中継の検討を求める請願
◯請願を委員会で議論もせずに継続審議にするのではなく、「委員会の審査独立の原則」に基づき、各委員が意見を出し合う実質的審議を求める請願
◯議会基本条例制定に向けた「検討委員会の決定」と「計画等の審議」を求める請願
◯請願の審議内容を請願者に積極的かつ迅速に提供することを求める請願
◯法令及び議会の決定に基づき、閉会中に委員会が継続審査を履行すべき義務を負うことの確認を求める請願
◯熊本市議会の請願について「一部採択」を取り入れることを求める請願
◯「会議録速報版」の作成とYouTubeによる録画中継の検討を求める請願
◯請願を委員会で議論もせずに継続審議にするのではなく、「委員会の審査独立の原則」に基づき、各委員が意見を出し合う実質的審議を求める請願
タイトルを見ただけでも、すぐにでも実現できそうなものもあるし、これまでの不透明な議会運営を改善できる内容の請願だと分かります。上記の請願は去年12月の定例会から順次提出され、真剣に議論されないまま、10ヶ月が過ぎようとしています。9月定例会では原口議員が委員長を務める議会運営委員会が一括採決し、全会派が不採択に賛成しています。議会基本条例は政令指定都市20都市中、16都市が制定済み。制定していないのは熊本市を含め4都市のみ。
*請願の一括採択を行った議会運営委員会に対する抗議に関する記者会見に関する記事
2018年9月27日熊日新聞
*2018年9月29日朝日新聞
*2018年9月29日毎日新聞
*2018年9月29日熊日新聞
*「のどあめ」なめて登壇、懲罰動議に発展
熊本市議会
09.28 20:54朝日新聞デジタル
09.28 20:54朝日新聞デジタル
熊本市議会で28日、第3回定例会本会議の質疑で緒方夕佳議員(43)がのどあめを口に含んだまま演壇に立ったとして議員たちが非難し、その対応で本会議が何度も中断した。
議場での議員の飲食を禁止する明確なルールはないが、市議会会議規則にある「品位の尊重」に触れるとして急きょ懲罰特別委員会を設け、緒方議員への懲罰を陳謝と決めた。しかし緒方議員がこれを拒否したため、再び委員会を開き、さらに重い一定期間の出席停止を科すと決まった。閉会時間が予定より数時間遅れるなどした。
緒方議員はこの日午前、自らが紹介議員となり市民団体が昨年12月~今年9月に出した七つの請願がこの定例会の委員会で一括して不採択になった際の議論などを確かめようと、約1時間にわたり議会運営委員長に質問していた。議員から「同じことを何度も質問するな」「議事録を読んで」などといらだちの声が上がっていた。その中で、緒方議員があめを口に含んだのを見た議員が指摘し、本人も認めたため、議会は非難の声で混乱。議長判断で「暫時休憩」となった。
その後、議会運営委員会に呼ばれて謝罪を求められた緒方議員は、せき込んで質問を中断するのを防ぐためだったとして、謝らなかった。そのため、議員から懲罰動議が出た。
この騒動で、当初午後0時半に終了予定だった議会は時間を延長し、同日午後8時ごろまでずれ込んだ。(柴田菜々子、杉山歩)
https://www.asahi.com/articles/ASL9X34J3L9XTLVB002.html
https://www.asahi.com/articles/ASL9X34J3L9XTLVB002.html
*喉あめ服用で懲罰動議可決 子連れ騒動の熊本市議会(2018.9.28 22:44 産経WEST)
喉あめをなめながらの登壇、是か非か-。28日に開かれた熊本市議会の定例会本会議で、乳児を連れて議場に入り騒動となった緒方夕佳市議(43)が喉あめを口に含んで請願を巡る質疑をしたことに、批判の声が上がった。議事進行が約8時間止まって紛糾。市議会は同日、謝罪を拒んだ緒方市議への懲罰動議を、本人を除く全員の賛成で可決し、議会から退席させた。
緒方市議は取材に「数日前から体調を崩しており、発言中にせきなどで迷惑を掛けないよう服用した。弁明の機会も与えられず、退席の懲罰は残念」と語った。
市議会事務局によれば、議場での市議の飲食について定める規定はない。だが、批判した市議らは「議会の品位を重んじなければならない」とする議会規則に抵触したと主張している。
傍聴していた同市の無職女性(76)は「民間企業でも、喉の痛みやせきがあれば、のどあめを服用して人前で話すこともある。質疑を止めるほどのことでは無いのでは」と語った。
本会議に出席した大西一史市長は閉会後、報道陣に「あめをなめながらの質疑は、社会人としてあり得ない。非を認める姿勢も必要」と述べた。
緒方市議は昨年11月、「(育児と仕事の)両立に悩む多くの声を見える形にしたかった」との考えで、生後7カ月の長男を連れて議場に入り、議事進行を遅らせたとして厳重注意を受けた。
https://www.sankei.com/west/news/180928/wst1809280102-n1.html
*質疑中のどあめ、懲罰 熊本市議会 緒方議員出席停止に [熊本県](2018年09月29日西日本新聞)
*質疑中のどあめ、懲罰 熊本市議会 緒方議員出席停止に [熊本県](2018年09月29日西日本新聞)
熊本市議会は28日、9月定例会の最終本会議を開き総額14億697万円を増額する本年度一般会計補正予算案などを可決した。緒方夕佳議員(43)が演壇でのどあめを口に含んで質疑したことを発端に懲罰動議が出され、緒方氏は28日のみ1日間の出席停止となった。審議は緒方氏が質疑していた午前11時半ごろから中断を繰り返し、午後8時前に閉会した。
緒方氏は、自身が紹介議員となった議会基本条例の制定などを求める請願計7件が、今議会の議運委で不採択となったことに反発し質疑に立った。緒方氏があめをなめていることに他の議員が気付いて批判。本会議が中断した。
熊本市議会会議規則には議場での飲食を禁じる条文はないが、議運委は「議員は、議会の品位を重んじなければならない」とする条文に抵触すると判断。緒方氏に議運委での陳謝を求めたが、緒方氏は拒否した。
本会議では、緒方氏に「軽率な行為であり深く反省いたします」などとする陳謝文を朗読する懲罰が議決されたが、緒方氏は拒否。その後、本会議で出席停止とする懲罰が議決された。
緒方氏は報道陣の取材に「風邪をひいており、せきが出ないよう、のどあめをなめた。出席停止で質疑や表決が果たせなくなり、非常に残念」と話した。
緒方氏は昨年12月の定例市議会で、議場に乳児の長男を抱いて着席し開会を40分遅らせたとして、議長から文書で厳重注意を受けた。
=2018/09/29付 西日本新聞朝刊=